テンプレートを Internet Explorer(以下 IEと称す)での表示に対応させるか否かでお悩みの方向け記事ですが IE対応修正を目的とするものではありません。こう考えたらどうですか?という方針面の後押しをする記事です。
弊テンプレートは今後もIE非対応の方針です
私が製作するテンプレートについて、2018年4月以降にリリースしたものはIE非対応です。これは今後も変わりません。
非対応の理由と対応の理由の双方を知る
何故「非対応」を選ぶのか
まずは私が何故「IE非対応」の選択をしたか、その理由をお伝えします。賛同できる点があるかもしれませんし、また逆に賛成しかねる内容があるかもしれません。以下をお読み頂いて、どの程度納得ができるか ご自身で確認をしてください。納得の度数がそのままIE対応への方針決定に繋がります。
その前にここで言うIEとは IE11のみ を指します。それ以前のバージョンについては既にセキュリティサポートが終了しており、セキュリティ切れのブラウザやOSについては以前からお伝えしている通りいかなる事情に於いても対応は致しませんし、利用すべきではない という以外の答えを持ちません。
非対応を選択する主だった理由
- 開発が終了している(技術改善, 機能追加などが一切見込めない)
- IEの独自性に対するhtml, CSS内容でデータ容量が膨れ上がる --- スピード・デザイン性・効率性に影響
- スマホブラウザにIEは存在しない --- モバイル最優先思考
- 処理スピードが絶望的に遅い
- リリース元のMicrosoftが「IEを使わないで」と警告(2019年2月より)
- FC2ブログ運営がIEを重視しなくなっていると判断(2018年春頃に認識)
- FC2ブログ公式デフォルトテンプレートもIEを推奨ブラウザに指定していない
何故「対応」を選ぶのか
対応を選択する主だった理由
- 管理者自身がIEを利用している
- 閲覧者の意識や環境までコントロールすることはできない
管理者自身の意識が高くとも一般閲覧者や馴染みの読者さんも同じとは限りません。仮に「ChromeやFirefoxで見てください」と書いても相手にその気がなければどうしようもありません。要は 読者層 の問題です。
読者に若年層が多ければ極端な話、スマートフォン環境だけに集中すれば良いのかもしれませんね。「パソコンから閲覧される頻度がかなり低い」と想定できるかもしれません。
逆に読者が高齢層の場合 特に日本では高齢層のIE使用率は高い ですし、「スマートフォンから閲覧される頻度がかなり低い」と若年層とは真逆の想定となります。ですから自身の読者のターゲットによってはIE非対応は危険かもしれません。
結局どうすれば良いのか
・自身のブログ読者のターゲットになる年齢層を考える
・自身に啓蒙の努力ができるかどうかを判断する
「啓蒙努力」というのは具体的には「IEではなく別のブラウザを勧める」ことです。それには「何故そうした方が良いのか」「そうすることによって生じるメリット・デメリットは何か」を説明する必要が出てきます。
あるいは一番簡単な方法は「当ブログはIE非対応ですから他のブラウザで閲覧してください」と注意書きをすることなんですが、現実問題として現時点でIEを使い続けている方というのは以下の可能性が高い。
- IE以外のブラウザを知らない
- IE以外のブラウザをダウンロードする方法を知らない
- 「ブラウザ」の意味がわからない
上記に該当する方の場合「別のブラウザから見て」と言われてもどうしたら良いかわからないわけなんです。となるとブラウザのダウンロードリンクを設置するのか、ブラウザに関する説明をブログの目立つところに掲載するのか、ということになってしまいます。正直そこまでやってらんない、よね (´・ω・`)
そして別のブラウザを推奨したところで相手から「でも〜」「しかし〜」「But〜」という返事が返ってきたらそれは 実行する意思がない のと同じことなんで、いくら説明しても右から左ということが多い(笑)
誰もが言いにくいから言わないけれども実際そんな感じですよ。そもそもこれらの返答をよこす人というのは要するに「やりたくない」んです (∵`)
で、意識を変えさせることこそが「啓蒙」なんだけれども、これは相当難しい。使用ブラウザについて相手を説得する、なんてのは通常のブログ運営では余分な手間であって、なんでそこまでしなきゃなんねーの、な部類に入る。それが啓蒙活動(笑)
読者にIEユーザーが多いと判断できる場合は切り捨てない
ここまで書いてきた通りなんですが、仮に読者さんから「レイアウト崩れてる」という声が有ったとしますよね。そこでまず「IE非対応です。何故かというと〜」と説明ができるかできないかを想像してください。場合によっては「何故」の理由説明以外に「どうやって」の方法説明も必要になるかもしれません。
もし説明できたとして、次に相手がどんな反応を返すかを想像。先に記したように相手にブラウザ変更の意思が無いと思われる場合にはおとなしく IE対応テンプレートにする というのが一番の良策です。説明する手間も省けますし、悩む必要が無い。
IE非対応は管理者自身の割り切りにかかっている
ここまでダラダラと書いていますが、結局のところは管理人自身がIE切りに対して気持ちを割り切れるかどうかです。文字にすると当たり前のように思えますが、これが結構難しいんですね。
例えばwebの最新技術を扱うブログだとします。CSSでこんなことができるよ、だとかhtmlで新しい要素ができましたよ、だとか。そういったブログの場合には そもそもIE利用者はターゲットになりません。IEはwebの最新技術を使えないブラウザなのですから、ベクトルがIE利用者に向くことが無いからです。
技術者のブログにIE非対応が多いのはこういった事情です。紐解くとかなり明確な理由と言えるかと思います。じゃあ日記などを綴っている一般ブロガーさんがどうかと言うと、技術者と同じ目線で判断するわけにはいかないと思うんですね。それにはくどいようですが 読者層 が大いに関係します。
まとめ
ここまでの内容をまとめますと
IE非対応テンプレートを選んではいけない人
- 閲覧者に対する説明ができない・説明が面倒
- 意見を受け入れ無さそうな読者が多いことが既にわかっている
結局はこういうことです。説明がめんどうだなぁ、と感じているのであれば素直に対応テンプレートを選んだ方が良い。一番大事なのはブログを更新すること なのですから、IE問題で悩むのは時間がもったいないと思うんです。
IE対応テンプレートを勧めているように思われるのもアレなんですが、実際難しいところだと思うんですね。常連のIE利用者さんから「見られない」「見づらい」と言われるとやっぱり気に病むでしょう?それに説明の過程で揉めるのではないかという懸念だってありますよね。ならば最初から対応しとけ、ということです。
で、ここまで言っといてなんなんですが私個人のテンプレートは今後もIE非対応です(笑)
既に割り切りが出来ている、という方にご利用頂ければ良い話であって、他にも良いテンプレートを提供してくれる作者さんはたくさんいらっしゃいます。
あと以下のような記事も書いていて、導入している方もいらっしゃるかと思います。
ぼっちんさん に教えて頂きました。「こんなのあるぜ?」って感じで(笑) 最近は「IE非対応サイト」も徐々に増えつつあります。非対応というのは要は「IE向けCSSフォールバックは書かないからデザイン崩れてても知らーん」ってことです。大抵は。...
IEからアクセスした際に画面に警告文を被せて他モダンブラウザのダウンロードを促す、というものです。ですがこれはある意味 門前払いと同じ なので、自身の交流相手にIEユーザーが多いとわかっている場合に利用すると諍いに発展することもあるかもしれません。それには読者層をきちんと把握しておくことが大事。
ただ一定の効果は認められると思います。相手方の感情面さえクリアできれば、の話ですが。
Microsoft が Windows IT Pro Blog に於いて 『 The perils of using Internet Explorer as your default browser (デフォルトのブラウザとしてInternet Explorerを使用することの危険) 』 を 02-06-2019 に公式発表したことはご存知の方も多いと思いますが、「その記事は企業向け発信だから。。。」と捉えて「まだ使えるじゃん」的に、同警告に無関心な個人ユーザーも多いようで、筆者としては唖然としてしまいます (^_^; アハハ… ...
個人的意見としては「啓蒙を行ってできるだけ多くの人が脱IEを実現する」というのが最も良い形ではあるのですが、と同時に啓蒙の難しさもよく理解しているつもりです。ですからいくら気に入ったテンプレートであってもIE非対応がネックになっているのであればいさぎよく手放す、という選択肢も必要ではないかと思います。